火事はいやだよ

そんなもん、私だっていやである。
大体の人がいやでしょうよ。


2016年10月、4年間住んだ大阪市中央区を離れて(と言っても)大阪市福島区に引っ越してきた。
大阪府に住んでない限りピンとこないであろう地名というかむしろ「うつくしま」に持って行かれてる感がハンパない。
実際来てみると「うつくしま」でお馴染み福島県とは全然別物である。

実は大都会、大阪・梅田のある北区の隣なのになんだろうこれ。
福島区は一言でいうなら「しょっぱい」。
「うつくしまふくしま」どころじゃない、「しょっぱしまふくしま」やないか。
何のリリックもライムも刻んでないわ。


と、これだけ書くとすごく福島をdisってるようにも見えるが、いや実際引っ越す前は中央区を愛しすぎて出るのをゴネてたんだが、
引っ越してちょうど一週間。
今はこの街をものすごく気に入ってる。

もともと私はショッピングモールより商店街のほうが落ち着くようで、中央区は卸売りの街というのがすごく嬉しかった。
離れてしまうと自転車でないと中央区に行けない、大阪城からも遠くなる、と落ち込んだのだが...。

しかしどうだろう、住んでみてその気持ちは一変した。
引っ越し先のマンションの真ん前は線路なのだが、高架下にはずらーっと飲食店が軒を連ねる。
おしゃれなバーではなく焼き鳥、焼き肉、かすうどんetc...
全体的にどストライクなしょっぱいお店だらけやないか...!!!
ちょっとマンションを出て住宅街を歩けばアンティークと言っていいほどの喫茶店(断じてカフェとは言えない)や割烹。

17時すぎてからは窓を開けるともう人びとのざわめきと炭火のニオイ...
これ嗅ぎながらご飯食えるわ。食わんけど。



そして表題の件である。
高架下にこれまたしょっぱいドラッグストアがあるんだが(一応チェーン店)、その入り口に看板がおいてある。
ドラッグストアの反対側にはコンビニ、そしてそれぞれの奥にはこれまた飲み屋が並ぶエリアのその通路の真ん中に置かれた看板。
どーやらタバコのポイ捨てやら放火、火気取り扱いに関する警告だと思うのだけど。

真っ白な板に、非常口のアイコンのように人が逃げるイラストが描かれている。
その上に大きな文字で「火事はいやだよ」。

うーん、しょっぱい。
そんなわけで、とってもこの街が好きになれた。